冷凍食品大手のニチレイが事業を多角化させるために作った関連会社ニチレイバイオサイエンス。この会社が昭和電工株式会社と共に株式会社シルヴァンを設立して、新しい保湿成分を使用したスキンケアブランド「シルヴァン」を立ち上げて、2009年8月1日から通信販売で新商品を売りに出します。
このブランドの全製品に配合されている成分が、ニチレイが20年前から研究と栽培を行ってきたシルヴァンという品種の洋蘭から抽出された保湿成分だから、社名もブランド名もシルヴァンというわけです。この注目の新成分、オドンチオダラベンデルラセ花エキスは、会社側の発表によるとヒアルロン酸の約2倍の保湿力を持つ成分を含んでいるとのことです。
ニチレイの植物栽培の副産物は保湿成分

スキンケアにおけるファーストステップの洗顔やメイク落としから、最終工程で使用する乳液やクリームが揃っている「シルヴァン」シリーズ。
ニチレイグループが約20年前から洋蘭の研究と栽培をはじめる一方で、昭和電工はその洋蘭の中の一品種であるシルヴァンの花から保湿性の高いエキスを抽出・生産してきました。その両社が6割:4割を出資し合って設立した会社から新しい化粧品ブランドが生まれたわけです。
このブランドから販売されるスキンケア化粧品群には、世界で初めてシルヴァンブルームエキス(表示名称「オドンチオダラベンデルラセ花エキス」)が配合されていて、しかも、そのエキス内にはヒアルロン酸より優れた保湿力を持つ成分が含まれているというのだから、乾燥肌の方や素肌に衰えを感じている方にとっては期待も大きいことでしょう。初期ラインナップには、メイク落とし・洗顔料・美容液・化粧水・乳液・クリームの6種類があって、一通りのスキンケアができるのですが、価格帯は4000円~10000円と少々高い価格設定になっています。
製品に洋蘭抽出物が使用されているので、優雅で上品なイメージをかき立てられるわけですが、このイメージ戦略でどこまで業績を伸ばせるか注目です。ちなみに、シルヴァン社長の金子宏樹氏によると、2011年度には5億円の売上高を目指す、とのことです。
以下、会社側の発表の抜粋です。
ニチレイ プレスリリース 2009年
ニチレイグループの株式会社ニチレイバイオサイエンス(代表取締役社長・荒剛史)の子会社で、昭和電工株式会社との共同出資により設立した株式会社シルヴァンは、新スキンケアブランド「シルヴァン」シリーズ6品を2009年8月1日より通信販売にて発売いたします。
これから販売される製品には、20年前からの両社のノウハウが詰め込まれているのかと思うと、何だか感心してしまいます。
相次ぐ異業種による化粧品への技術応用
過去を遡ってみると、化粧品業界に参入しているのはニチレイのみにとどまりません。酒造メーカーの日本盛は米ぬかの保湿効果に着目した「米ぬか美人」のブランドを展開していますし、大手食品企業の味の素は、自らが得意とするアミノ酸部門を応用して、「Jino(ジーノ)」というスキンケアブランドの立ち上げに成功しています。その他、精密化学メーカーの富士フイルムに至っては、フィルムの材料に使用していたコラーゲンのノウハウを用いたり、写真の褪色を防ぐための抗酸化技術を転用したりして、「ASTALIFT(アスタリフト)」という化粧品ブランドを立ち上げています。
こういった、化粧品事業に異業種が参入してくるという流れの中で、米ぬかを化粧品に応用する技術に長けた「リアル」にみられる既存の化粧品会社は、どのように競争していくのか、または、どうやって住み分けしていくのか、この点も要注目です。