聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターが2006年に設立したベンチャー企業「ナノエッグ」。この会社が世界で初めて開発に成功した技術名も、薬品を高濃度のままナノサイズのカプセルに閉じこめる「ナノエッグ」。企業名と開発技術の名称が同じで、製品化に向けて鼻息も荒いようだ。
この会社が開発技術を育毛剤に応用して、地肌の奥深くまで浸透するナノテク育毛剤を開発中だと、日本テレビのバラエティー番組スッキリ!!が報道していた。
日本テレビのスッキリ!!で、ベンチャー企業ナノエッグが開発した、皮膚に浸透しやすく高い発毛効果が期待される育毛剤が取り上げられた。
聖マリアンナ医科大学難病治療研究センターが2006年に設立したベンチャー企業「ナノエッグ」。この会社が世界で初めて開発に成功した技術名も、薬品を高濃度のままナノサイズのカプセルに閉じこめる「ナノエッグ」。企業名と開発技術の名称が同じで、製品化に向けて鼻息も荒いようだ。
この会社が開発技術を育毛剤に応用して、地肌の奥深くまで浸透するナノテク育毛剤を開発中だと、日本テレビのバラエティー番組スッキリ!!が報道していた。

薬の濃度を保ったままナノサイズのカプセルにする。
このベンチャー企業が開発したナノエッグとは、水と油でできたナノサイズのカプセルのことを指す。このカプセルの中に有効成分を高い濃度に保ったまま閉じこめて、地肌の奥深くまで送り込むわけだ。
この技術を化粧品や薬品に転用すれば、地肌への浸透力が高くなり、従来品より高い効果が得られるというわけだ。

通常とナノエッグの浸透力比較。
左の図の通り、人間の皮膚の細胞はナノサイズの大きさで、小さな細胞が集まって皮膚を形作っている。
図の左側のように、通常の薬品や化粧品を何の手も加えずに肌に付けると、分子サイズが肌細胞の隙間より大きいため、浸透力に欠ける。しかし、図の右側のように、ナノテクノロジーで成分を細胞の隙間より小さくしたナノエッグは、スムーズに肌に浸透する。
このナノサイズのカプセルに育毛剤に応用して、数年後に新製品を販売しようというのが、この会社の目標の一つみたいだ。
体毛が抜けた状態の実験用マウスを用意して、ナノエッグの技術を使った開発途中の育毛剤を塗布したグループAと、育毛剤を塗布しないグループBと、それぞれ経過を観察した結果、明らかにグループAのマウスの方が、体毛が生えそろうのが早かった。
しかし、この実験方法には疑問がある。一般的に、育毛剤を使用したマウスと使用していないマウスを比較すれば、前者の方が毛が生えるスピードが速いのは当然のことなのだ。この辺りがベンチャー企業特有のインチキ臭さみたいな物を醸し出している。この実験では、新開発の育毛剤を使用したグループと、従来の育毛剤を使用したグループとに分けるべきだった。
加えて、ナノエッグの中に注入されている育毛剤の働きにも触れていなかったところも取材不足の感が否めない。たとえば「血行を促進する」とか「男性型脱毛症を抑制する」などの、育毛剤の用途と効果にも踏み込んで放送して欲しかった。今後の日本テレビの追跡取材に期待したい。
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